【父母OBのつぶやき】

其の十三


 繰り返し・・・伝えなければならないこと・・・【成熟期】

 定員問題に関しての各父母会からの施設の建て替え、改築、増築に関して、議会への請願、陳情が目を疑うぐらいに次々と採択され、待機児童への解消の為に次々に新しい施設が建てられていきます。
西宮市北部に於いても同様に学校校庭外の施設も校庭内へ移動され、よりよい学童保育へと拍車が掛かります。

 全国的に見ても西宮市での学童保育は量、質共に高い基準で行われており、特に育成センターでの子ども達の暮らしには差ほど大きな問題は発生しない状況になってきました。

しかし、学童保育を考える限り、共に学童保育の維持、向上に全身全霊で頑張ってくれた指導員への変わらない不安定な雇用問題が残されています。
また、平成15年に地方自治法が改定(改悪)され、民間事業者等にも管理運営を委ねることができる「指定管理者制度」が設けられ、多様化する住民ニーズを応える為により効果的、効率的な住民へのサービスと経費節減等を図る目的として、西宮市に於いても様々な福祉事業への企業進出が行われる事となりました。
当然の如く、学童保育での留守家庭児童健全育成事業へも指定管理者制度の対象となり、断続的に企業への進出を許す結果を招いています。

 学童への質の低下の懸念と…なによりも、指導員の継続雇用が危ぶまれており、強いては育成センターで生活をする子ども達への影響の大きさが懸念されています。

しかし、西宮市に於いて、特に問題視されない一定の保育レベル達した事で各父母会でも大きな変化が現れ始めました。

 それは新しい世代での単なる利用者としての意識を持つ父母達です。
学童そのものの本質…存在意義などとは関係なしに利用者としてだけの観点での物事の見方をするもので…作り運動時代での父母達の願いとして、当たり前の様に学童保育が存在し、誰でもが気兼ねなく子ども達の安全、安心を求める事が出来る環境であって欲しいと願っていた状態ですが…突然の懸案事項が発生した際には…全く、父母会としての機能が失われていました。

 この結果は一定期間…安定した学童保育に於いて、作り運動から学童保育の基礎を築きあげてきた先輩父母達の想いが上手く伝わっていない事が第一の要因として考えられ、伝える事の大切さを疎かにした結果に他ならないと思います。

 この事は成熟した西宮市に於ける学童保育の負の遺産として…どうするのかを今、現役父母達の間で解決しなければ成らない問題だと思います。


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